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「No.7 RACHET」について
○100 周年である今年は歴史的な年です。そこで今回は「No.7 RATCHET」の魅力についてお伝え致します。
「No.7 RATCHET」とは?
正確には「No.7 Flat Ratchet Wrench」のことです。
「No.7」とはスナップオン創立初期の商品の品番のひとつです。
当時は商品ラインナップが少なかったため、品番とは思えないような単純な品番になっています。
その後、「No.7」の品番は、S71 や F720 などのラチェットの品番の最初の数字として残り、その後 1980 年代にシールドラチェットに進化した際の 800 番台になるまで、60 年もの間「7=ラチェット」を意味する品番でした。
つまり、スナップオンのラチェットの元祖が「No.7 RATCHET」ということになります。
ここで 1923 年発行の Catalog Aを、ご覧ください。
「No.1 から「No.8 まで掲載してありますが、カタログのどのページを見ても「No.7 Flat Ratchet Wrench」の掲載はありません。
つまり、初めてのカタログを編集しているときにはまだ発売されていなかったということになります。
その 2 年後に発行された Catalog B に初めて「No.7 Flat Ratchet Wrench」が掲載されました。
参考資料 1923 発行 Catalog A No.7 ラチェットの記載なし
参考資料 1925 年発行 Catalog B No.7 ラチェット記載あり
No.7 発売までのラチェットレンチの歴史
スナップオンのファーストラチェットである「No.7 RATCHET」を語るうえで、ラチェットレンチ自体の歴史を知る必要があります。
実は工具としてのラチェットレンチの歴史は古く、確認できる最古の US パテントは PAT No38914・1863 年の「リチャードソン・レンチ」まで遡ります。
当時はそれらをアジャスタブルレンチやスパナでトルクをかけて回すのが整備の主流でした。
1850 年〜1930 年くらいまでの工具の特許はアジャスタブルレンチに関わるものが多かったという事実からも推測できます。
1925 年、満を持したように Snap-on から「No.7 Flat Ratchet Wrench」が発売されます。
当時としては最先端の 15 ギア(それまでの他社のラチェットは 10〜12 ギア)であり、強度を増すための独特の 2爪パウル、そのパウル本体の形状が鼓のような型であることによりトルクを伝達する面を広くすることができるという、画期的なアイデア満載の新製品でした。
これは工具として初めての実用的なラチェットの誕生でもあります。
参考資料「No.7 Flat Ratchet Wrench」のギア・パウル構造(特許申請図面より抜粋)
参考資料1925 年発行 Catalog B No.7 の表記
参考資料1929 年製 「No.7 Flat Ratchet Wrench」
参考資料1927 年に特許を申請した際の図面コピー
その後、1931 年のカタログにてリバースレバー付きの新型ラチェット「No.71 Ratchet」が発売されると、「No.7Flat Ratchet Wrench」はその役目を終えます。
しかし「No.7 Flat Ratchet Wrench」が工具の歴史に残した功績は大きく、インターチェンジャブルの発明とともにラチェットをハンドツールの花形にしたのは、間違いなく Snap-on です。
当時物のNO.7ラチェットで振り返ってみます。
こちらは、メンテナンス用オイル注入口がありました。
当時は15ギア・2パウル仕様。ソケットも当時のものです。
ワンウェイの為、1/2スクエアは取り外して回転方向を変えてました。
歴史を感じるスナップオンロゴ。
いかがでしたか?今年100周年を迎えるスナップオンの歴史の1コマでした!
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